本研究は,反復末梢性磁気刺激に運動イメージを併用した介入が脳および脊髄に及ぼす可塑的変化を明らかにし,臨床応用するための基礎的なデータを提供することを目的とする. 令和4年度は,1) 反復末梢性磁気刺激と神経筋電気刺激による脊髄興奮性の変化の比較,2)本研究に関連する成果報告を行った. 1)では,健常被検者を対象として,下腿三頭筋に対する反復末梢性磁気刺激と神経筋電気を行い,刺激前後でのH反射の変化の違いを検討した.本研究の結果,反復末梢性磁気刺激と神経筋電気刺激はどちらもH反射を変化させるがその差異は認められなかった.また,H反射の変化は個人差が大きい結果であった.今後,刺激部位や刺激強度,刺激周波数などの刺激設定を再度検討して実験を継続する必要がある. 2)では,本研究助成を受けて実施した研究成果および知見について,反復末梢性磁気刺激を用いる研究者や医療従事者が参加する研究会にて報告を行った.
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