α帯域の脳律動(8-13Hz)は知覚に影響を与えることが知られているが,高次の知覚指標である二点識別覚(TPD)に対して異なる役割を果たすことが示唆される左後頭頂皮質(PPC)と一次体性感覚野(S1)におけるα帯域活動の変化がTPD閾値に及ぼす影響は不明である. 17名の健常学生を対象に,脳律動を非侵襲的に調整することが可能な10 Hzの経頭蓋交流電流刺激(tACS)を用いて左PPCとS1を刺激し,右示指指腹のTPD閾値を測定した.その結果,tACSは左PPC上に適用するとTPD閾値を低下させたが,左S1上に適用した場合には変化せず,TPD閾値の決定に領域特異的な効果があることが実証された.
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