研究成果の概要 |
本研究は足関節捻挫既往歴や慢性足関節不安定症 (CAI) を有する者を対象に, 呼吸トレーニング介入の効果を検証することを目的とした. 6週間の呼吸エクササイズプログラムはCAIを有する者の主観的足関節安定性を向上させることが明らかになった. また, 6週間の呼吸トレーニングは, 足関節既往歴を有する競技者の動的バランス, 呼吸パターン, および横隔膜の機能の改善に有効である可能性が示唆された. 横隔膜機能の改善を目的とした呼吸エクササイズをCAIや足関節捻挫のリハビリテーションや予防トレーニングに取り入れることは, CAIや足関節既往歴を有する者に対して有益な効果をもたらす可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は, 横隔膜の機能を改善することを目的とした呼吸エクササイズ処方により慢性足関節不安定症を有する者の横隔膜の機能が改善され,身体的・主観的機能が向上する可能性が高いと期待される.また, 本研究の成果は, 慢性足関節不安定症の継続による二次的障害の予防, 捻挫後の安定性の再獲得および向上に有効な治療プログラムを開発することにつながる.さらには, 本研究により得られた知見は, 効果的な足関節捻挫の再発予防のトレーニングやリハビリテーションの指導現場に提案することができ, 足関節捻挫再発予防の介入方法に対して新たな科学的知見を加えることができると考えられる.
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