研究課題/領域番号 |
20K19434
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研究機関 | 吉備国際大学 |
研究代表者 |
三宅 優紀 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40469317)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 園芸療法 / 高齢者施設 / 認知症 / 連携 / 作業療法 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、施設入所高齢者が自分らしく生活るするための支援技術としての園芸療法マニュアルを開発することである。 令和3年度は、高齢者施設で園芸療法実践を行っている園芸療法士を中心に、実践の導入と継続のコツについてのインタビュー調査を実施した。関西、関東、中国地方を中心に5名の対象者へのインタビューを行った。コロナ禍で対面でのインタビューが困難だったことからZoomを使用してオンラインインタビューを行った。インタビューを SCAT(Steps for Coding and Theorization)という手法を用いて分析した。現時点での結果(1名分)は、園芸療法実践の基本戦略が基盤となっており、導入には共作業で行う環境整備、目的を意識した園芸活動の選択、コスト削減対策、臨機応変な対応が必要であった。継続には、植物の成長を生かした継続的な関与、その人らしさを大切にした活動内容、成功と失敗のノウハウの蓄積と活用を意識することが大切であることが明らかとなった。結果をまとめ、論文投稿中である。引き続き、残りの対象者のインタビューの分析を行い、全員分の結果を統合させていく作業を実施している。 また高齢者施設での園芸療法実践は継続しているが、コロナ禍のため度々施設への出入りに制限がかかった。そのため、オンライン園芸活動に切り替えて実践を継続させている。オンライン園芸活動ではZoomを使用し、大学と施設を繋いで音声や映像のやりとりを行った。毎回の活動の材料(アクティビティキット)をそろえ、事前に施設に郵送するなど、準備段階で多くの時間をさくことが明らかとなった。ネット環境などの環境設定は、施設側職員に慣れた者がいたため、問題はなくスムースであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー調査後、結果の分析を行うことができた。その結果を学会や論文にまとめる作業も進んでいる。 高齢者施設での園芸療法実践はコロナ禍のため制限もあったが、オンライン園芸活動に切り替えて実施している。施設スタッフとゼミ学生の協力のもと、治療的構造を考える、評価を行いデータ収集をする、結果を分析するなどを行うことができている。そのため概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー分析の結果をさらに統合させ、高齢者施設における園芸療法実践の導入と継続のコツに関するモデル図を作成することにしている。 施設での園芸療法実践は、コロナ禍の様子を見ながら可能な範囲で行い、オンライン園芸活動を併用していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で施設への訪問が制限されたため旅費の使用が減った。今年度、学会の演題が採択された場合、そして施設への訪問に使用したい。
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