研究課題/領域番号 |
20K19435
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
西田 智 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (40847513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | FASH日本語版 / 異文化適応 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、「研究目的①:Functional Assessment Scale for Acute Hamstrings Injury (FASH)日本語版の作成および妥当性・信頼性の検討」の達成に向け研究活動を行った。FASH日本語版の作成は、始めに原案者のDr.Korakaisにアポイントをとり和訳の許可を取り付けたうえで、異文化適応ガイドラインに則り実施した。順翻訳は、母国語が日本語で英語に精通しているもの2名に協力を依頼し、順翻訳完了後は研究責任者も含めた3名で和訳内容の調整を行った。順翻訳版は外部機関に依頼して母国語が英語でスポーツ医学領域に精通するものに英語へ逆翻訳した後、原案者のDr.Korakaisに原版と逆翻訳版を比較していただき、尺度の等価性について担保されていることを確認した。逆翻訳版に関しては、英語に精通した3名の協力者に原版との比較可能性および解釈可能性の評価を依頼し、両項目に関して問題がないことも確認済みである。最後に、本研究における研究対象である学生アスリート9名を対象とした認知デブリーフィングによって質問項目について問題なく理解できることを確認し、FASH日本語版の完成とした。現在は、FASH日本語版の妥当性・信頼性検討に向け、倫理申請を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、FASH和訳版の作成が完了したため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、作成したFASH日本語版の信頼性・妥当性の検討を目的とし研究を進める。信頼性・妥当性の検討については、Dr.Korakaisらが、FASHを別の言語に翻訳した際に行った方法に準拠し実施する。原案者の始めに、健常者を対象に再テスト法によるFASH日本語版の信頼性の検討を実施する。妥当性の検討に関しては、陸上競技・サッカー・ラグビーを専門とする大学生アスリートを対象に、ハムストリング肉離れ受傷後のFASH日本語版のスコアを評価し健常者とのスコアを比較する。Dr.Korakaisは、研究デザインの相談やデータの分析についても積極的に関与するという姿勢を示してくださっているため、適宜確認を取りながら研究を進めていく。また、信頼性のデータに関しては、FASH日本語版完成の報告と併せて学会等で成果報告する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は、コロナ禍にあり情報収集を目的とした学会出張が行えなかったこと。また、実際にFASH日本語版を用いた評価が行えなかったため、当初購入を予定していた評価を補助する器具を購入しておらず、これらの予算が次年度使用金として計上された次第である。 令和3年度は、FASH信頼性・妥当性検討を目的とたFASH日本語版の評価に予算を投じるとともに、積極的に学会に参加し、得られた研究成果を発信していきたいと考える。
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