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2021 年度 実施状況報告書

高齢食道癌患者を対象とした術前補助化学療法中のリハビリテーションプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K19439
研究機関名古屋大学

研究代表者

立松 典篤  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (60796770)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードskeletal muscle mass / physical activity / elderly cancer patient / exercise / prehabilitation
研究実績の概要

本研究課題は、外科手術を予定している高齢消化器癌患者の術前の骨格筋量および身体機能の維持・改善を目的とした新しいリハビリテーションプログラムを開発することを目指しており、令和3年度は対象を大腸癌や胃癌患者に拡大して、プログラム開発に必要な基礎的データを収集することを目標としていた。さらに、近年では骨格筋量のみならず質の評価も同時に行うことの重要性が報告されるようになってきていることもあり、術前のCT画像を用いることで骨格筋量減少に加えて、骨格筋異所性脂肪化を評価し、これらを有する患者集団の特徴を探索した。
根治的切除術を控えた消化器癌患者126名(大腸癌94名、胃癌32名、年齢中央値69歳)を対象とし、解析を行った結果、骨格筋量減少の有症率は63%、骨格筋異所性脂肪化の有症率は52%、両者の合併有症率は31%であった。また、それぞれの患者集団の基本的特徴を比較検討した結果、骨格筋量減少群および合併群は低BMIの傾向にある一方で、骨格筋異所性脂肪化群は高BMIかつ糖尿病合併の傾向にあった。さらに身体機能の特徴を比較検討した結果、合併群においては他の患者集団と比較して、有意に低値を示す結果であった。
これらの結果より、より効果的な術前リハビリテーションプログラムを開発する上では、全ての術前患者を均一な集団とするのではなく、骨格筋指標などの何らかの基準を用いて集団を層別化し、特定の集団ごとにプログラムを開発する、またはよりリスクの高い集団に限定したプログラムを開発する必要性が示唆された。今後は、これらの集団の術後身体機能の推移が、術前の各特徴(骨格筋量減少や骨格筋異所性脂肪化など)において異なるのかなどをさらに検討した上で、具体的にプログラムの開発へと繋げていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に申請者の所属先が変更になったこと、昨今のCOVID-19の影響などにより、初年度の基礎的データ収集および解析に遅れが生じたことが全体のスケジュールの遅延に影響している。

今後の研究の推進方策

対象を大腸癌や胃癌へと拡大したことにより、データ収集が安定し、基礎的データの蓄積が進んでいる。全体としての研究スケジュールは上記理由により遅れが生じているが、R3年度の進捗としては一定の成果が得られている。次年度は、最低限での今年度のペースを落とさずに研究を進め、プログラムの開発へと繋げていきたい。また、今年度の基礎的データの結果を論文化し、公表していく作業も同時に進める。

次年度使用額が生じた理由

参加予定としていた学会がオンライン開催または中止となったことで旅費関連の支出が減少したことと、全体のスケジュールが遅延したことに伴い当該年度内に論文執筆が間に合わなかったため。
次年度の使用計画としては、当初の予定していた学会参加および論文執筆・投稿費用などに関する諸経費として使用していく。

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公開日: 2022-12-28  

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