新型コロナウイルスの終息が先の見えない状況であり、予定していた研究はほぼ進めることはできなかった。理由として、研究を遂行するための嚥下造影検査件数が減少したことが挙げられる。令和3年度に実行できなかった部分に関しては、令和4年度に持ち越しになる予定であるが、嚥下造影検査件数は減少傾向であるためスタッフの水晶体被ばく線量の測定は、統計をとるのに十分な件数が施行できないと考え、人体ファントム等の借用物品の確保ができ次第、人体ファントムを利用した水晶体線量の推定を実施することになるであろう。 放射線防護具の製作に関しては、以前試作していた防護具の散乱線防護効果に関する論文が発行された。今後研究を進めるうえでの励みになった。 また、近々透視装置の更新も予定されている。更新された際は、新たに散乱線量の測定を実施したいと考えている。今後は、検査件数が減少している嚥下造影検査のみに使用するよりは、嚥下造影検査を含めたオーバーチューブ型の透視装置を使用した種々の透視検査に対応可能な放射線防護具の開発をすすめたい。 以上のことを踏まえて、装置更新予定に伴い、新たに散乱線量を測定した上で、防護効果が十分得られる防護具の開発を行いたい。放射線防護具開発について協力していただける企業と連携し、種々の透視検査に対応可能な防護具の開発をすすめる予定である。 令和4年度は前年度までに遂行できなかった研究を少しでもすすめていきたいと考える。
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