令和5年度は、新型コロナウイルスも第5類に移行し、以前より感染拡大も落ち着いてきたように思えます。この状況の中で、研究を前に進めるための条件が整いつつあります。 放射線防護具の作製については、物価高騰の影響もあり、企業との折り合いがつかない状況でしたが、別の協力いただける企業を見つけ、新しい型の放射線防護具を作製することができました。費用も当初予定していた範囲内に抑えることができたことは、大きな成果です。 新型防護具を用いて、年明けからは東北大学より人体ファントムを借用し、透視室で嚥下造影検査と同様な測定条件の下で新型防護具の有無による線量測定を実行できました。この結果を学会発表や論文投稿で示したいと考えています。また、嚥下造影時の従事者被ばく線量測定に関しては、新型コロナ以降、検査件数が激減し、エビデンスを得るための十分な件数を確保できなくなったため、これまでの検査時間より従事者の立ち位置の散乱線量から被ばく線量を推定することに変更する予定です。 令和5年度に実行できなかった学会発表や論文投稿については、1年延長し、令和6年度に実行予定です。また、以前から研究を進めていたIVR時の術者の水晶体被ばく線量に関する論文が投稿できたことは(アクセプトは未)今後の研究の励みになりました。 令和6年度は、前年度までに遂行できなかった研究を少しでも進めていきたいと考えています。延長はこの1年のみで再延長は考えておりません。
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