研究課題/領域番号 |
20K19446
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 徹 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (00848492)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 交連線維 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、脳梗塞後の二次的な神経細胞死に、非梗塞側からの交連線維を介した入力が果たす役割を明らかにすることである。 本年度、交連線維の関与を明らかにするのに先立ち、まずは非梗塞半球の神経活動が梗塞巣周囲の二次的な細胞死に関与するのかを検証するため、以下の実験を行った。 昨年度確立したPhotothrombisisによる脳梗塞モデルマウスに対して、非梗塞半球にヒトムスカリン4人工受容体(hM4 DREADD)を発現するアデノ随伴ウイルス(AAV)を注入した。その後、新規DREADDリガンドDeschloroclozapine (DCZ) を浸透圧ポンプを用いて持続的に投与し、非梗塞側ニューロンの神経活動を時期特異的に抑制した。現在、脳梗塞誘導後に採取した脳サンプルに対してニッスル染色を行い、梗塞巣のサイズを評価中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳梗塞モデルマウスに対し、DREADDを発現するAAVを投与し、その後のDCZ投与によって神経活動を制御できることを確認した。また、脳梗塞後の脳サンプルに対しニッスル染色を行い、神経活動を制御することによって梗塞巣のサイズが変化するかを検証した。本研究の仮説検証に必要な実験系が確立できたことから、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
AAVの二重感染によって、非梗塞半球のなかでも交連ニューロンの神経活動を特異的に制御することで、脳梗塞巣のサイズが変化するのか、また梗塞巣周囲の炎症状態が変化するのかを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物施設の改修に伴い、実験の実施期間に制限があったため。 次年度使用額については、実験動物の購入費として使用する予定である。
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