研究課題/領域番号 |
20K19448
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西川 裕一 金沢大学, フロンティア工学系, 助教 (90644980)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 運動単位 / パーキンニズム / 筋強剛 / 表面筋電図 |
研究実績の概要 |
本研究は,多点表面筋電図による運動単位の動員動態解析をパーキンソン病の筋強剛の評価に応用し,筋強剛を定量的に評価する方法を確立することを目的としている。 2020年度は,パーキンソン病を対象に運動症状の重症度と運動単位の過剰な活動に相関があること,運動症状が軽度な患者であっても健常者と比較して過剰な運動単位の活動が生じていることを明らかにした(Nishikawa Y, European Journal of Neuroscience, 2021)。本研究では,症状の極軽度な患者においても神経活動の片側性を検出することができることを示し,重症度との相関関係があることから重症度の評価としても十分応用可能であることを見出した。現在は他のパーキンソン症候群(多系統萎縮症,大脳皮質基底核変性症,進行性核上性麻痺)の患者を対象に計測を進めており,疾患特異的な診断マーカーとなり得るデータの提示を目的に解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに論文の投稿が完了している。被験者については,パーキンソン病は既に測定が終了しており,パーキンソン症候群に関しても目標の6割程度は測定が終了しているため,「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータを迅速にまとめ,早い段階で論文にて成果公表することを意識し,研究を進めていく。研究開始時に所属が変更となったが,既に当該研究に関する倫理審査を終えており,測定環境を整えることができているため,研究計画は変更なく進めることができている。引き続き,症例のデータ計測を行い,診断マーカーの確立に向けエビデンスを構築していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で共同研究者との打ち合わせや学会がオンライン対応となったため、旅費に充てていた経費が浮いたため次年度使用額が発生した。2021年度は、データ測定に使用する消耗品および世界情勢などを踏まえて共同研究先への滞在費用や成果発表、論文投稿費用などに計上する。
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