研究課題/領域番号 |
20K19449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高田 忠幸 香川大学, 医学部, 寄附講座教員 (10714272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Micro RNA / 海馬 / 虚血再灌流 / 短期記憶 / 虚血耐性運動 / 乳酸 |
研究成果の概要 |
スナネズミの虚血再灌流障害モデルにおいて,乳酸上昇を伴わない軽運動の負荷は海馬の神経細胞を保護し、短期記憶を維持した。虚血再灌流により発現が変化したmiRNAは複数あるが,そのうち,発現が亢進した14種類のmiRNAと,発現が低下した6種類のmiRNAに関しては,虚血再灌流前に軽運動の負荷を行っておくことにより、miRNAの変化を抑制できた。つまり,これらのmiRNAは炎症、代謝、細胞死などの複数の生物学的プロセスを制御している可能性があり,これらの知見は、乳酸の上昇を伴わない軽運動が海馬のmiRNAを制御することによって、一過性の虚血後の神経細胞死と行動障害を軽減することを示唆する。
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自由記述の分野 |
老化,認知症,リハビリテーション
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では乳酸上昇を伴わない軽運動は,miRNAの分子レベルにおいても虚血耐性を得たことが示された.miR-181c-5pの発現を維持したことは虚血負荷時にペナンブラに移行することの予防が可能であったことが示された.また,miR-455-3pはアミロイドβ(Aβ)前駆体蛋白のプロセッシングを調整し,虚血による機能不全では,Aβの蓄積が誘発されることが予想されたが,本研究では軽運動よりmiR-455-3pの発現も維持できたことから,Aβの蓄積を予防できる可能性も判明した.乳酸上昇を伴わない軽運動は,急性の虚血障害のメカニズムのみではなく,Aβ蓄積による長期的な認知機能の低下も防ぐ可能性がある.
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