研究課題/領域番号 |
20K19454
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
坂田 ゆき 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (60816742)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 車いすマラソン / 上肢スポーツ障害 / 新型コロナウイルス / 超音波 |
研究実績の概要 |
車いすパラアスリートにとって、上肢の傷害はスポーツの継続を難しくさせるだけでなく、日常生活にも支障をきたす可能性があります。上肢スポーツ傷害の早期発見・治療とその予防は非常に重要です。そのために、今回の研究では、まずは、車いすパラアスリートの上肢スポーツ傷害の実態を明らかにし、競技歴などの背景因子と上肢スポーツ傷害の有病率との関連について検討することを目的としました。 2020年度に開催された大分車いすマラソン大会では、新型コロナウイルス感染症対策のため1次検診を行う事すらできませんでした。しかし2021年11月21日に開催された第40回大分国際車いすマラソン大会では、出場する選手に上肢スポーツ検診を実施できました。新型コロナウイルス感染症対策を十分に行いながら、男性11名、平均年齢51.1歳、頚髄損傷5名、胸腰髄損傷6名に問診、診察、超音波検査による1次検診を行い異常のある者を2次検診に紹介しました。右肩痛3名、左肩痛2名、両肩痛1名を認めました。右肩痛の3名とも2次検診のMRIで腱板損傷の所見はありませんでした。左肩痛の1名で右肩甲下筋の異常を認め、2次検診のMRIで両肩腱板損傷と診断されました。両肩痛の1名は超音波検査で異常なく頚髄損傷による疼痛と考えられました。 パラアスリートのスポーツ障害に関する研究は少なく、車いすマラソン選手の上肢スポーツ障害の有病率は明らかではありません。今回コロナ禍の検討となり十分な被検者を確保できませんでしたが、更なる研究が必要です。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度に開催された大分車いすマラソン大会では、新型コロナウイルス感染症対策のため1次検診を行う事すら出来ませんでしたが、2021年度の大会では新型コロナウイルス感染症対策を十分に行った上で1次検診を行い、必要のある選手には2次検診まで実施することが出来ました。しかし11名の選手しか実施できず、今後は被検者を増やす必要があります。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況によりますが、2022年度大分国際車いすマラソン大会でも同様に1次検診を行い、2次検診を行いたいと考えています。また、2021年度に実施できた上肢検診結果を第33回日本整形外科超音波学会で発表しようと計画しています。
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次年度使用額が生じた理由 |
被検者数が少人数であり、1次検診に必要な物品が少なかったため、次年度使用額が発生しました。2022年度で最終年度となるので、データのまとめや学会発表に役立てたいと考えています。
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