研究課題/領域番号 |
20K19459
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
渡部 喬之 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (70787077)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | dual task / トイレ動作 / 転倒 |
研究実績の概要 |
転倒は要介護状態を招くものであり、その予防は社会的課題である。転倒に至った行動理由はトイレに関するものが最も多く、トイレ動作の適切な自立判定は転倒予防に重要である。 令和2年度は、脳卒中患者におけるdual task stepping testのトイレ動作自立判定の有用性を英語論文にて公開した。次いで、本テストの普遍性を検討するための研究を開始した。脳卒中以外の疾患を含めた入院中の高齢者に対し、リハビリテーション専門家がdual task stepping testを使用し、トイレ動作自立判定、転倒予測精度を検討していくため、所属施設倫理委員会への申請を行った。 令和3年度は、所属施設倫理委員会の承認が得られ、データ取得を開始した。2021年1月から12月までに、当院に急性期疾患治療目的で入院した65歳以上の高齢者92名のデータ取得を行った。データ取得に伴い有害事象の発生は無かった。次いで、対象者のdual task stepping testの結果と、トイレ動作を含めた退院時ADL予測、入院時転倒発生予測の精度について分析を行い、予測精度が高いことが明らかになった。 dual task stepping testは30秒間で特別な環境設定なく実施できる評価であり、臨床において幅広く使用が検討できるものである。リハビリテーション専門職以外も使用できる可能性があり、検討を継続していく。また、本評価は3段階で障害の程度を評価するものであり、今後は解析ソフトを用いて定量化に取り組んでいく。今後本研究結果をまとめ、英語論文として公開予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、介護施設にて前向き研究を実施する予定であったが、コロナ禍で研究実施が困難となり、急性期病院での実施となった。一方で、前向き研究によるデータ取得は予定よりも約1年早く完了することができた。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍で、介護施設での研究実施が困難となったため、急性期病院入院患者を主な対象者に変更し研究を継続していく。今後は、リハビリテーション専門家以外でもdual task stepping test施行が可能か、また本評価を動作解析装置により定量化することを目的に、研究を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により専門家との打ち合わせ旅費、動作解析装置の費用が予想よりも安価であった。次年度は英文校正、投稿費用、学会旅費費用などに使用予定である。
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