研究課題/領域番号 |
20K19464
|
研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
平林 怜 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (60804375)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 脊髄相反性抑制 / Ia相反抑制 / D1抑制 / H反射 / 他動運動 / 筋活動 / 電気刺激 / H反射 |
研究実績の概要 |
過剰な同時収縮の要因は,相反性抑制の低下が挙げられるが,相反性抑制を増強させるための効果的な治療法(相反性抑制増強法)は,未だ確立されていない.我々は筋紡錘から求心性Ia線維への発火頻度を増加させることができる他動運動に着目した.本研究では,反復他動運動時の運動速度,運動回数,運動範囲が相反性抑制にどのような影響を与えるかを解明し,相反性抑制を増強させる効果的かつ効率的な他動運動法(相反性抑制増強法)を開発することを目的とした. 反復他動運動が脊髄相反性抑制増強に寄与するか明らかにするために,最初に反復他動運動の運動速度に着目した研究では,運動速度が40°/s,80°/s,120°/s,160°/sで比較し,最も速かった介入条件(160°/s)で脊髄相反性抑制の機能であるIa相反抑制,D1抑制ともに増強することを明らかにした. 次に,反復他動運動の運動回数(618回,309回),運動範囲(40°,20°)に着目して最適な介入法を検討した.運動回数も運動速度が速い介入条件では,運動回数依存的に相反性抑制が増強した.運動範囲においても範囲依存的に相反性抑制(Ia相反抑制,D1抑制)が増強したことを明らかにした(Hirabayashi et al., European Journal of Neuroscience, 2020). 反復他動運動の最適な介入法が開発でき,反復他動運動によって相反性抑制が増強することを明らかにした基礎的知見となった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究では,反復他動運動が脊髄相反性抑制に及ぼす最適な介入法を明らかにしている.現在は介入によって神経生理学的知見と運動機能が関連するか検討をしている.
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は,昨年度の知見をもとに,神経生理学的知見を併せて運動機能である関節運動に着目して研究を進めていく.
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた計測項目に加え,脊髄相反性抑制の短潜時抑制(D1抑制),長潜時抑制(D2抑制)の計測を行う予定である.また,消耗品類,国際論文投稿費に充当する予定である.
|