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2020 年度 実施状況報告書

小型センサを用いた歩行評価により人工膝関節全置換術後のフレイルを予測できるか?

研究課題

研究課題/領域番号 20K19470
研究機関甲南女子大学

研究代表者

三栖 翔吾  甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (20824105)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード歩行 / 慣性センサ / 人工膝関節全置換術 / フレイル / 変形性膝関節症
研究実績の概要

人工膝関節全置換術 (Total Knee Arthroplasty: TKA) 術後の経過において、術前からの機能低下が十分改善せず、フレイル状態が継続もしくは新規発症してしまう患者が一定数存在する。TKA術後の機能低下の遷延、フレイルの継続・新規発症を予防するためにリハビリテーションが実施されるが、効率的なリハビリテーション介入のためには上記リスクが高い患者を予測、抽出することが非常に重要となる。近年、小型慣性センサによる客観的な歩行機能評価の妥当性が確立され、フレイルの発生をより早期から予測できる可能性が想定される。本研究の目的は、TKA術後患者において小型慣性センサにより評価された客観的歩行機能が、その後のフレイル状態の発症・継続を予測できるのかどうかを十分なサンプルサイズで複数施設において前向きに調査することで、歩行評価によるフレイル予測能を明確にすることとした。歩行評価は、小型慣性センサを対象者の第3腰椎棘突起部および両踵部に装着し、快適速度にて15mの歩行路を歩行した際に得られる加速度・角速度データを用いて行う。
本年度は、1施設にて計測されたTKA患者の歩行データに対して解析を実施し、変動性、規則性、滑らかさ、左右対称性の指標を算出した。この指標を健常者のデータと比較し、臨床指標との関連性の検討を行うことで、TKA患者において有用だと考えられる歩行機能指標の同定を行った。また、3施設の研究協力機関を確保し、データ測定に向けた準備を行った。複数施設間にて測定データを共有するためのシステム構築を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19の感染流行拡大により、研究協力施設への協力依頼や情報交換、データ測定環境構築に時間を要してしまった。さらに、研究協力施設におけるTKA実施件数が大幅に減少してしまい、データ計測の開始が遅れてしまっている。

今後の研究の推進方策

データ測定、共有の環境は構築できており、次年度ではデータ測定および追跡調査を進めていく。同時にデータベースの構築を行い、データ解析の準備を進める。万が一、研究を遂行する上で問題が生じた場合や、TKAとフレイルに関する新しい知見が生じた場合には、適宜研究協力者と密に連携を図り打開策を講じる予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度の予算執行予定として、情報収集のための国際学会参加をあげていたが、新型コロナウィルス感染症流行拡大に伴い、学会が延期となったため、本年度の使用額が少なくなってしまった。ただし、予定よりも早く研究協力機関を確保できたため、データ計測に必要となる機器を先んじて購入した。次年度は、解析用のパーソナルコンピュータおよびソフトを購入しつつ、研究協力期間のさらなる確保、それに伴う計測機器の購入を実施する予定である。得られたデータの解析について、アルバイトを雇用して実施する予定がある。また、TKA患者において有用だと考えられる歩行指標について検討した結果を論文として投稿することを考えており、その投稿費用にも充てる予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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