研究課題
若手研究
内臓疲労という言葉があるように、運動後においては栄養素の消化吸収機能が抑制されると考えられているが、運動がタンパク質の消化吸収に与える影響については、これまで詳細が明らかではなかった。本研究の結果、安静時摂取と比較して、高強度運動後のタンパク質摂取は、胃からの排出を速め、タンパク質(アミノ酸)の吸収スピードを高めることが明らかとなった。しかし、消化吸収速度が増加する一方で、吸収しきれない回腸末端の残存量も増加し、吸収効率を低下させる可能性が示唆された。
スポーツ栄養学
栄養素の摂取は、運動・トレーニングの効果に影響を与える要因の一つとなる。本研究では、高強度運動に伴い、タンパク質摂取時の消化吸収速度が増加する一方で、吸収効率が低下する可能性が示唆された。今後、運動に伴いタンパク質の吸収効率が低下する機序の解明や、その予防法を検討することで、運動実施者に対する適切な栄養摂取方法を示す一助になることが期待される。