研究課題/領域番号 |
20K19490
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
坂本 慶子 愛知学院大学, 心身科学部, 講師 (50771250)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 女子サッカー / キック動作 / スポーツパフォーマンス |
研究実績の概要 |
2021年度では,女子ジュニアサッカー競技者60名を対象に,ボールキック速度の発達に及ぼす体力的要因をフィールドテストから検討し,ジュニア競技者へのトレーニングに対する知見を得るための測定を行った.その結果,年齢と30m走のタイムとの間には関係がみられるものの,学年差がみられ,また,相対的な発育年齢でみると,個人の発育差がボールキック速度や30m走のパフォーマンスに影響を及ぼしていることが明らかとなった.今後は,筋力や筋厚と各種体力要素との関係を検討する.また,併せて男子ジュニアサッカー競技者との比較検討も行う. また,大学女子選手及び男子サッカー選手を対象にインステップ,インフロント,インサイドキックにおけるボールインパクト時の足部動態の比較検討を行った.その結果から,インパクト中における足関節底屈動作が大きいキック動作においては,インパクト時の姿勢でほぼ足関節の剛性の高め方が決まり,ボール速度の増大につながる可能性が示された.この研究成果は,学会誌に掲載された. また,大学女子選手及び男子サッカー選手におけるインステップキックのボールインパクト時の足部動態及び筋力を比較し,女子選手のパフォーマンスを向上するための課題と障害リスクの検討を行った.その結果,女子選手はインパクト時に十分な底屈ができておらず,男子選手よりもインパクト時の固定技術が未熟である可能性があること,また,女子選手は男子選手に比べ,足関節まわりの筋の共同収縮による安定性が低いことから,インパクト中に足部が外旋する傾向があることが明らかとなった.これらの研究成果は,ARIHHP Human High Performance International Forum において発表され,今後学会誌へ投稿を予定している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究計画における課題の一つは,性別,競技レベル,身体的特性から生じるキック動作の違いや普遍的特性の解明である.しかしながら,新型コロナ拡大の影響により,2020年度の研究実施に遅れが生じたことにより,2021年度の計画のスタートが遅れた.加えて,ヒトを用いた実験実施にあたり,測定日の調整や被験者の招集が困難となったため,データ収集が遅れ,全体的に2021年度の研究計画に遅れが生じた.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度では,2020年度に引き続き,国内レベルでの性別,競技レベル,身体的特性から生じるキック動作の違いや普遍的特性の解明を優先的に進めていくと同時に,新型コロナの状況をみて,実施が遅れている海外での女子選手のキック動作のデータ収集について検討していく.2021年度に得られた研究成果は,随時学会大会で発表し,同時に論文投稿も行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ拡大の影響により,ヒトを用いた実験実施にあたり,測定日の調整や被験者の招集が困難となったため,データ収集が遅れ,それに伴い発生するはずであった被験者への謝金や測定者の人件費の支出がなかったため.2022年年度では,新型コロナウィルスの感染状況を注意を払いながら,2021年に計画していた実験及び当初予定していた2022年分の実験を実施し,できる限り早い段階で遅れを取り戻す予定である.
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