今年度は新型コロナウイルスの影響も少なくなったため、本課題で当初予定していた介入実験を行うことが出来た。 実験の課題として野球の投手がカウント(0-0、0-2、3-0、3-2)を想定しながら行うというものである。この際介入として、特定のボールカウント(0-2、または3-0)に意識を向ける心理的介入の効果を検討した。参加者は16日間の間に40球の投球(テスト試技を3回と練習試技6回)を9日間行った。順序としては初日にテスト試技(Pre)を行った。その後、0-2群(カウント0-2を意識する群)、3-0群(3-0を意識する群)、コントロール群(通常通り投球を行う群)の3群に分け3回の練習試技の後、2回目のテスト試技(Post1)、更に群を入れ替え3回の練習試技の後、3回目のテスト試技(Post2)を行った。本実験ではこの際の投手のデータを取得し、Pre、Post1、Post2間の球速やリリースポイントの位置を比較した。 参加者は19名であった。この内2名が実験中に疲労の影響を考慮して辞退を申し出た。分析を行い、これまでに得られた結果としてPreよりもPost1、Post2の方が球速が低下していた。これは練習試技による疲労の影響がみられたと考えられる。その後、カウント(0-0、0-2、3-0、3-2の4水準)と介入(0-2群、3-0群、コントロール群の3水準)での4×3の二元配置分散分析を行った。この結果、両要因とも主効果が見られた。 この結果は、再度ビデオ映像などで実験を正確に行うことが出来ているか確認した後、介入は3水準であるが、各被験者2つの条件しか行うことが出来なかったため統計の際に補正が必要となり、この方法を再度検証し、多重比較の結果も踏まえ、論文化する。
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