本研究では、運動による2型糖尿病の抗うつ・抗不安効果において、脂肪組織が果たす役割について明らかにすることを目的とした。11日間の運動マウスの皮下白色脂肪組織を移植した2型糖尿病モデルマウスのうつ・不安様行動を評価した。その結果、運動脂肪移植が気分行動に及ぼす有益な効果は認められなかった。また、既知の運動誘発性アディポカインの組換えタンパク質を2型糖尿病モデルマウスに慢性投与した場合においても、行動に対する影響は認められなかった。したがって、2型糖尿病のような重篤な病態におけるうつ・不安様行動の改善効果においては、脂肪組織の適応以外の運動のファクターが重要である可能性が示唆された。
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