運動が心の健康の維持・増進に有効であることは広く知られているが、そのメカニズムについては未だ不明な点が多い、研究代表者のグループはこれまでに、運動による抗うつ・不安効果における脂肪組織の役割について明らかにしてきたが、2型糖尿病モデル動物においては効果が得られなかった。これらの結果から、2型糖尿病のような重篤な耐糖能障害下では、運動による抗うつ・不安効果における脂肪組織の貢献度は低い可能性が示唆された。本研究は、運動に適応した脂肪組織の抗うつ・不安効果は、耐糖能ステータスによって異なる可能性を示しており、メンタルヘルスの維持・増進に向けた運動療法プログラムの構築において一助となると考えられる。
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