研究課題/領域番号 |
20K19533
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
石川 大瑛 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (00782806)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 足関節捻挫 / インソール / 慢性足関節不安定症 / 三次元動作解析 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に検証した三次元動作解析を用いた足部評価の方法を活用し、足関節捻挫後遺症である慢性足関節不安定症(CAI)例に対するインソールの即時効果の検証を行った。CAI例7例と健常例12例をリクルートし、足底に直接インソールを貼付して、歩行および着地動作を行った。動作は三次元動作解析装置を用いてデータを収集し、後足部角度、股・膝関節角度、下肢関節モーメントを算出した。また、足部が協調的に運動しているかを評価するために、MVCT法を用いてCoupling angleを算出し、Coupling angleから協調的な運動かどうかを判定した。その結果、歩行ではCAIにおいて後足部の回内外可動範囲が増大しており、インソールの仕様によりその可動範囲が小さくなった。またCAIでは立脚初期の関節モーメントが大きいことが認められたが、それに対するインソールの効果は小さかった。一方健常足では全体的に関節モーメントが小さくなる傾向にあった。足部協調性ではCAIでは協調的ではない運動の時間が長かったが、インソールの使用により健常足との差が認められなくなった。着地動作においてもCAI足での後足部回内外可動範囲の増大が認められ、インソールの使用によりその範囲が小さくなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インソールの長期的効果の検証を行うため、スポーツ活動中にインソールを使用してもらう必要があったが、コロナウイルス感染症のためスポーツ活動を制限することとなった。そのため即時効果の検討のみ行うこととなり、長期的な効果の検討は未実施である。
|
今後の研究の推進方策 |
床反力、COP軌跡の解析、足関節不安定症の程度を効力入れた関節運動の解析を進める。また、前距腓靭帯など損傷された靭帯の状態の把握を行い、動作中の不安定感や動作への影響の検討およびインソールの効果の検討を進める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症のため研究の進捗が遅れた。そのため人件費など当初予算の執行ができない状況があった。また学会発表などでの移動がなくなり旅費等の予算の執行もなされなかった。差額は最終年度の研究活動の人件費、論文作成の経費などに使用する予定である。
|