今年度は国際誌へ投稿中の論文の修正を行った。日本認知・行動療法学会にて、スポーツと認知行動療法SIG(Special Interest Group)を立ち上げ、研究成果を普及、発展させていくための基盤を整えた。イップスと競技不安との関連性を追加で検討することで、イップスの症状の特徴を浮き彫りにし、介入への示唆を得ることができた。本研究では我が国のアスリートのイップスの実態を把握し、心理社会的治療の基礎を築くために、イップスの症状を測定できる尺度を開発し、イップスとメンタルヘルスとの関連性を検討した。研究期間全体を通じて、約28%のアスリートがイップスの症状を報告し、イップスの症状は、幅広いメンタルへルスの問題と関連することが明らかになった。今後は、認知行動療法などの診断横断的アプローチをイップスに適用していくことが期待される。
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