研究課題
若手研究
本研究では、アスリートのイップスの症状を測定できる尺度を開発し、イップスとメンタルヘルスの問題との関連性を検討して、イップスの治療モデルの提案を行った。883名のアスリートを対象に調査を行った結果、2因子10項目のイップス症状を測定する尺度が開発された。さらに、300名のアスリートを対象に調査を実施したところ、イップスは抑うつ症状、不安症状、心的外傷性ストレス症状との関連が明らかになった。今後は、認知行動療法などの診断横断的アプローチをイップスに適用していくことが期待される。
臨床スポーツ心理学
これまでのイップス研究は研究領域ごとに個々の研究者が単独で行い、イップスの症状を統合して理解していなかったため、基礎研究が積みあがってこなかった (Clarke et al., 2015)。本研究は、イップス症状を統合して測定する尺度を作成し、イップスの実態やメンタルヘルスとの関連性を明らかにすることができた。本研究の成果は、イップスの症状の早期発見と、イップスに対する有効な介入法確立に向けた示唆を提供している。