研究課題/領域番号 |
20K19545
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
竹澤 稔裕 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (10771967)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高気圧高酸素 / 運動パフォーマンス / 生体応答 / 気圧 / ミドルパワー |
研究実績の概要 |
2021年度においては「Performance and biological response of middle-power under hyperbaric hypoxic conditions in athletes - pilot studies」をタイトルとして論文の執筆を行った.論文はArchives of Budoに掲載された. 本研究は通常条件と高気圧高酸素条件において60秒間のミドルパワートレーニングを実施し,比較検討した.通常条件においては1.0気圧,21%酸素濃度とし,高気圧高酸素条件は1.5気圧,100%酸素濃度とした.運動負荷は一定の負荷強度を設定し60秒間の全力ペダリング運動を2分間のセット間休憩を設け3セット実施するものとした. 結果,通常条件と比較して高気圧高酸素条件では総平均仕事量が有意に高い値を示したことに加え,ペダリングを行う際のピーク回転数が低下しないことから,より高い運動パフォーマンスを発揮することが示された.また高気圧高酸素条件においては動脈血酸素飽和度の低下が抑制され,生体の酸素利用能が高いレベルで保持されることが,高いパフォーマンス発揮に寄与していると推測できる. この結果は,現在実施している高気圧高酸素条件下における持久的運動時のパフォーマンスと生体応答について多大に貢献するものであり,引き続き研究を続けていく上で重要な役割を担う内容と言える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度においては機材のメンテナンス作業に多くの時間を費やすことになった.業者と共同で設計した測定用レギュレーターマスクは予備実験を重ねていく上で,呼気ガスが漏れてしまい,2度の修繕を行った.また,高気圧高酸素条件下での呼気ガス分析器の使用についても,高気圧と高濃度酸素の両面から様々なトラブルが発生し,多くの時間を費やした.加えて,本研究は密閉されたチャンバー内で測定を実施するため,コロナ禍における社会情勢に伴い,計画通りに予備実験が実施できないことも理由としてあげられる. しかし現在は上記の課題は解決されており,すぐにでも測定を実施できる準備は整っている.ただし,被験者の選定には細心の注意を払い,実験を進めていく必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
現在はコロナ感染に対して細心の注意を払いながら,被験者を選定し測定を実施していく段階である.結果をまとめるフォーマットは既に準備できているので,スムーズな測定スケジュールを構築していくことが目先の課題となる.測定終了後は速やかにデータ解析を行い,執筆作業につなげていきたい. また今後の研究も視野に入れ,本研究で用いた機材を利用し,長期的なトレーニングへの介入や,新たな実験デザインの構築なども考慮して活動していければと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は大きな差額がなく使用した.次年度使用額が生じたのは少額なので,筆記用具等の消耗品に使用したい.
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