研究課題/領域番号 |
20K19546
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
井上 知 昭和大学, 歯学部, 助教 (00823064)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 骨折治癒過程 / 骨幹部 / 骨幹端 / 歯周病 |
研究実績の概要 |
骨折は長骨骨幹端において多く見られるが、これまでの動物実験では長骨骨幹部の解析が主であった。骨幹端は血流が豊富なため、感染症など様々な影響が出やすい部位である。歯周病は血流を介して全身に炎症を引き起こす慢性炎症疾患である。しかし、これまで歯周病と骨折治癒の関連について検討した報告はない。本研究では歯周病モデルマウスを用いて、歯周病が骨幹端および骨幹部の治癒過程に与える影響について検討した。 2020年度:歯周病モデルマウスに対して、長骨骨幹端および骨幹部に骨損傷を作製し、歯周病が骨折治癒過程にどのような影響を与えるのか検討した。 まず歯周病自体が骨代謝に与える影響を確認するため、上顎第2大臼歯に糸を結紮し、歯周病モデルを作製し、脛骨および血清中の変化を検討した。さらに歯周病モデルマウスの脛骨に骨損傷作製し、1~28日目に脛骨を採取し、マイクロCTおよび組織学的解析を行い、炎症期および仮骨形成期の変化を検討した。 歯周病モデルはコントロールと比較して、骨量に大きな変化は認められなかった。また血中の炎症・骨形成・骨吸収マーカ―については、ELISAによる解析まで進めなかった。 歯周病モデルでは、両部位ともコントロール群と比較して、仮骨形成が減少している傾向がみられた。しかし実験匹数が少なかったため、有意差の検討は行えなかった。炎症期についても、組織学的な検討を行ったが、詳細な解析まで進めなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウイルスの影響により、新規の実験動物購入が停止となり、実験を進めることができず、詳細な解析を行うことができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、まず歯周病が骨折治癒過程に及ぼす影響を明らかにし、炎症期から仮骨形成期までの変化について検討を行う。その後、骨折治療に用いられるLIPUS(低出 力超音波パルス Low Intensity Pulsed Ultrasound)の有効性についても検討を行なう。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスにより、実験が進められなかったため、消耗品などの購入量が減少した。2021年度は、実験が行えるため、2020年度行えなかった実験および2021年度の進める予定であった実験を行う。
|