骨格モデルの検出による動作分析は,スポーツ科学分野における姿勢矯正や運動機能改善に必要不可欠な処理である.近年,人工知能によるビッグデータの活用が急速に広まっている.特に,比較的収集しやすい画像データを大量に用いることで,深層学習による姿勢推定の精度および汎用性は向上の一途をたどっている.本研究では,深層学習による骨格検出結果をスモールデータで最適化することで,ビッグデータおよびスモールデータ,それぞれのデータが持つ価値の融合を目指す.
そのため,今年度は,主に個々の3次元動作の入力から多様かつ制御可能な動作予測方法を提案した.特に,生成モデルを用いた制御が可能かつリアルな動作予測結果の生成は困難な課題として知られている.そこで,ニューラルネットワークを用いてエンドツーエンドな動作生成モデルを提案することで骨格モデルの制御が可能な結果を生成できるようになった.具体的に,ニューラルネットワークの潜在空間において帰納バイアスを導入することで動作生成を行った.一度の学習で,本モデルは生成された人体動作に対して,人体モデルの一部分を厳密に制御する,もしくは適応的に制御することが可能である.また,関連するマッチングアルゴリズム,3次元点群の異常検知,クラスターリングアルゴリズム,最適化アルゴリズムを複数提案した.これらの研究成果について,ジャーナル論文2編,国際会議4編,国内会議において3件を発表した.以上が今年度行った本研究についての報告である.
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