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2021 年度 実績報告書

骨格筋疲労を軽減する新規化合物の同定-グルタチオン化に着目して-

研究課題

研究課題/領域番号 20K19570
研究機関広島大学

研究代表者

渡邊 大輝  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 助教 (30823281)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード骨格筋疲労 / S-glutathionylation / スキンドファイバー / 活性酸素種 / 筋小胞体 / 筋原線維
研究実績の概要

近年,S-glutathionylation(タンパク質とグルタチオン(GSH)が架橋構造を形成する反応)が骨格筋疲労を制御する重要な因子であることが明らかとなってきた.S-glutathionylationはglutathione-S-transferase(GST)によって触媒される.本研究では,GST活性を変化させる化合物を同定し,それが筋疲労に及ぼす影響を検討することを目的とした.そのために,まず,in vitro系において,GST活性に影響があると報告されている物質を添加し,GST活性を測定した.標的とした7つの化合物のうち,indole-3-carbinolのみGST活性を著しく抑制する効果が認められた.この結果を踏まえ,GSH量を著しく低下させることでS-glutathionylationの低下が筋疲労に及ぼす影響を検討した.実験にはラットを用い,片脚に対して疲労刺激を負荷した.疲労発生0.5時間後および6時間後の筋力および筋の生理生化学的特性を評価した.この結果,GSH量を著しく低下させると,通常であれば回復する収縮終了6時間後の筋力が回復しないことが明らかとなった.また,この原因は筋小胞体のCa2+放出機能の低下が回復しないためであった.以上のことから,indole-3-carbinolがGST活性を著しく低下させること,およびGSHを著しく低下させると筋疲労が長期化することが明らかとなった.本研究では,indole-3-carbinolを投与するまでには至らなかったが,今後,この点を検討することで筋疲労とS-glutathionylationの関係を明確にし,筋疲労を抑制する新たな戦略や筋疲労を利用する方法を考案する基盤ができると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] How to evaluate skeletal muscle function: suggestion from studies on skeletal muscle fatigue2022

    • 著者名/発表者名
      Watanabe Daiki、Kanzaki Keita、Wada Masanobu
    • 雑誌名

      Folia Pharmacologica Japonica

      巻: 157 ページ: 9~14

    • DOI

      10.1254/fpj.21065

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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