研究課題/領域番号 |
20K19572
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研究機関 | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
研究代表者 |
藤尾 公哉 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 運動機能系障害研究部, 研究員 (50778941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 立位バランス制御 / 脳波 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、立位バランス課題中の脳の賦活レベルに応じて、ニューロモデュレーション法(経頭蓋直流電気刺激:tDCS)がもたらすパフォーマンス改善効果に違いが生じるかを明らかにすることとした。本年度は、立位バランスの維持に対して鋭敏に反応する指標を決定するために、課題負荷量に応じた脳活動の変化について調べた。具体的には、現在までに以下の内容を実施した。 (1) 脳波計測時のノイズに耐え、かつ安定座位・立位との相違を捉えられる姿勢課題を選定し、予備計測を行った。(2)予備データについて時間周波数解析を行い、周波数パワーを指標として、安静立位との個人内識別が高い確率で可能な姿勢条件を選定した。(3)実験プロトコルを決定後、7名の健常成人に対して4つの姿勢条件で、脳波、筋電図、三次元動作装置をセットとして計測を行った。4) 次年度の実験に用いる姿勢課題のアプリケーション作成および環境構築に取り組んだ。 予備実験で取得した個人データを用いて、基礎的な脳波解析については実施し、本実験の解析準備を整えた。しかしながら、年度内に予定したデータ数の取得が完了せず、グループ解析については現在までのところ未完である。この実験結果を、次年度の実施の研究に活用する計画であるため、まずは解析までの完了をすすめる。また、実験に着手できなかった期間に、今回の研究のベースとなった立位脳波研究について、データの再解析および論文執筆をすすめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験環境の構築および予備計測は順調に進んだが、本実験のデータ取得に遅延が生じた。理由として、研究代表者の研究機関の異動があり、エフォート配分に見直しが必要であったこと、COBID-19の流行に伴うテレワークの増加と積極的な被験者公募が難しかったことなどがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、まずは遅れている実験1のデータ取得を早急に済ませ、その解析を最優先とする。並行して、前年度に積み残した本年度の実験環境の構築を完了する予定である。研究の方針に大幅な変更はなく、当初の予定通り、tDCSを用いた立位バランス実験にすすむ計画である。脳波によって観察できる安静時および姿勢時脳活動に対して、tDCSがもたらす変調を捉えた上で、バランスパフォーマンス向上への適用可能性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定数の実験が終了しておらず、人件費の一部を繰り越した。学会のオンライン開催化に伴い不要となった旅費の一部も加えて、本年度は、実験に使用する計測デバイスの購入と論文投稿料に予算を充てる予定である。
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