研究課題/領域番号 |
20K19573
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
野村 知広 北海道科学大学, 保健医療学部, 准教授 (90593492)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 3次元動作解析 / フォーム解析 / 水上スポーツ |
研究実績の概要 |
本研究において使用する予定であった計測システムは、光学式で据え置き型であったため大学に被験者を呼ぶ必要があった。しかし、現在のコロナウイルスの関係で、多数の被験者を複数回呼ぶことは感染症リスクから考えて不可能であった。そこで、同様の計測ができる慣性式で装着型の計測システムを導入した。それに応じて、これまで据え置き型の計測システムで用いていた解析プログラムを改変し、装着型計測システムでも解析が行えることを確認した。また、本システムは研究室環境だけでなく、水上でも計測が可能であり、予備実験で実際に水上でのカヤックパドリングフォームを計測した。その結果、同被験者において陸上計測結果と水上計測結果の間に、主に肩関節の内外転角度と体幹の回旋角度に有意な差が確認でき、実際の競技環境である水上での計測の重要さを示すことができた。 また、研究者一人が移動するだけで計測が可能なため、多人数移動による感染リスクを減じることができた。かつ、屋外での計測になるため、密な環境を避けることが可能となった。これらのことにより、研究の継続が可能となった。 現在、コロナの状況を踏まえて被験者らとの連絡を取り、計測継続の了承を得ることができた。2度の計測を行い、解析結果を被験者らにフィードバックすることで競技活動へポジティブな影響を与えることができており、本研究の目指す客観的データを用いた教示システムの方向性が正しいことを確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、学習用のデータを収集するために、月に一回程度のペースで東京から被験者を10人程度呼ぶ予定であったが、コロナウイルスの関係でそれらはすべて不可能であった。簡易的な計測機器をもって、代表練習会等も中止となったため、データの収集ができなかった。計測システムの変更を余儀なくされ、新たなシステムについて情報収集をしていたところ、本研究の計測内容に適しており、価格も助成金額内であるシステムを見つけることができた。そのシステムの販売が2021年2月であったため、そこから新たな計測システムを構築することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、わずかではあるがデータの蓄積ができた。システムを整えることができたので、関東地方の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除され次第、データ計測を再開する。移動を最小人数にとどめ、計測を屋外で実施することで感染症のリスク減を行う。申請時は月に1回程度の計測回数を予定していたが、状況が許せば月に2回程度に増やすこととする。計測と同時に解析を進め、フォームの変化とカヤック競技におけるタイムの変動を記録し、主成分分析を行うことでタイム向上に大きく寄与する項目を明らかにする。
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