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2020 年度 実施状況報告書

社会経済的地位によるスポーツ格差の実態解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K19579
研究機関東海大学

研究代表者

松下 宗洋  東海大学, 体育学部, 助教 (20758594)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードスポーツ実施率 / 社会経済的地位 / スポーツ格差 / 健康格差
研究実績の概要

研究初年度は、成人における社会経済的地位(世帯年収・最終卒業学校など)と週1回以上の運動・スポーツ実施率の関連を検討した。
本研究は、笹川スポーツ財団が実施・管理するスポーツライフ・データ(2014年、2016年、2018年)の3ヵ年分のデータを用いた横断研究である。運動・スポーツ実施は、週1回以上(年52回以上)と定義した。社会経済的地位の変数には、世帯年収、最終卒業学校及び職種を用いた。目的変数を運動・スポーツ実施、説明変数を社会経済的地位、調整変数に潜在的交絡因子(年齢、在住する都市規模、世帯人数、Body Mass Index)としたポアソン回帰分析を行い、調整済みPrevalence Ratio(PR)及び95%信頼区間(95%CI)を算出した。なお全ての統計解析は、性・年代により層化して行った。
本研究の解析対象者は7,608人(男性:3,772人・女性:3,836人)であった。男性では全ての年代で、最終卒業学校が大学・大学院(Reference)より中学・高校で運動・スポーツ実施者が有意に少なかった(例:男性20-39歳の調整済みPR 0.83:95% CI 0.73, 0.94)。男性65歳以上と女性65歳以上では、職種が自営業・家族従事者(Reference)よりその他(主婦・主夫等)で有意に運動・スポーツ実施者が多かった(例:男性65歳以上の調整済みPR:1.33,95%CI:1.17, 1.53)。女性では全ての年代で社会経済的地位と運動・スポーツ実施の関連が異なっていた。女性20-39歳では職種と運動・スポーツ実施に有意な関連があり、女性40-64歳では世帯年収と最終卒業学校で有意な関連が認められた。
このように、社会経済的地位と運動・スポーツ実施の関連は性・年代によって異なることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、笹川スポーツ財団が実施・管理するスポーツライフ・データを用いた二次解析である。したがって、データの取得や解析をおおむね順調に行うことができた。

今後の研究の推進方策

今後は、成人を対象に社会経済的地位とスポーツ種目やスポーツ実施場所の関連を検討する計画である。さらに同様の解析を、子どものスポーツライフ・データを用いて検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の感染拡大の影響を受けて、出席を予定していた学会等が中止や遠隔開催となったため、計上していた旅費や学会参加費を使用する機会がなくなった。来年度は、感染拡大状況を見ながら学会参加の旅費に使用することや、国際誌への論文投稿のための英文校正費や出版費に使用するなど、研究成果の公開に関わることに主に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 社会経済的地位別のスポーツ実施状況-「する」スポーツ格差の基礎的検討-2020

    • 著者名/発表者名
      松下宗洋、久保田晃生
    • 学会等名
      日本生涯スポーツ学会第22回大会

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公開日: 2021-12-27  

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