本研究で確立した指導法により,これまでに開脚跳びができなかった児童が,開脚跳びができるようになるための手段を新たに見出すことができた。これまでに,開脚跳びができない児童に対しては,跳び箱に見立てたビールケース等を用いた指導が行われてきた。しかし,こうした教具を跳び越えられたとしても,児童の中では跳び箱を跳べたという実感を味わえることができない。一方で,本研究の実験では,最終的に80 cmの跳び箱が跳べずに50 cmの跳び箱を跳べた児童が,「僕も跳び箱ができた!」と大喜びする姿が確認できた。したがって,本研究で確立した指導法は,運動が苦手な児童に対して,極めて有用な指導法になると考えられる。
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