運動学習場面で失敗を抑制し,成功体験を増加させるためには,コーチや指導者からの口頭教示が重要な役割を担う.本研究では,心理的なプレッシャーや不安を感じている状況における運動パフォーマンスの実行に対する効果的な口頭教示方法を提案することを目的とした. 上記の目的を達成するため,①状態不安の誘導操作方法の妥当性の確認,②注意の偏りを生じさせる実験方法の確認,③行為目標(打つ又は避ける)による影響の検証を行なった.避ける行為は状態不安との関連を強める可能性が示された.行動様式として脅威関連刺激に対する避けることを促すような教示は,状態不安時の運動出力にマイナスの影響を与える可能性が示唆された.
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