研究課題/領域番号 |
20K19608
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研究機関 | 亜細亜大学 |
研究代表者 |
鹿内 菜穂 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (20706816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ヨガ / オンライン / 満足感 / フィードバック / 太陽礼拝 / ウォーキング / 心理的効果 |
研究実績の概要 |
本研究は、大学生を対象にヨガを実施し、姿勢の変化、身体動揺の減少、不安や落ち込み、緊張の低減について明らかにするため、またヨガの教示内容や実施回数等による心身の影響を明らかにするため、ヨガの動作解析と心理評価分析を行うことが目的である。 COVID-19により2020年度実施できなかった実験を2021年度に行った。ヨガ未経験の一般学生、運動習慣のある学生とない学生、さらにスポーツ競技やバレエを行っている運動スキルの高い学生にも実験に参加頂き、数多くのデータを収集した。 予定を変更して行った2020年度のオンラインヨガの実験データについて分析した。ヨガ未経験者の学生を対象に、指導者は観察して指導する条件と、指導者と学生が同時に一緒にヨガを実施して指導する条件とで、学生の満足感に違いがないかを比較検討した。その結果、満足度や楽しさに違いはみられなかった。しかし、動作の修正のし易さや指導者とのインタラクション等は、指導者が学生を観察して指導する条件の方が有意に高かった。満足感や楽しさの提供を目的とするのであれば、指導者と学生はヨガを同時に行っても、学生のみが行っても違いはなく、更にオンラインでは指導者がポーズを見せることより、言葉がけによるフィードバックが重要であることを示唆した。 そして、ヨガ未経験者の学生を対象に対面で実施した実験において、ヨガの太陽礼拝を実施する条件とウォーキングを実施する条件とで、気分にどのような違いがあるかについて分析した。その結果、太陽礼拝およびウォーキングの実施後に、緊張-不安、抑うつ-落ち込み、怒り-敵意、High Activationが減少した。また、太陽礼拝実施後にDeactivation-Sleepが低下した。一方、ウォーキング実施後に疲労が低下した。30分の同じ軽運動にも関わらず、太陽礼拝とウォーキングの心理的効果の違いを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度において、本研究はやや遅れている。COVID-19の影響により、2020年度は実験機材の納期が遅れ、また対面での計測が敵わなかった。そのため、2021年度は、2020年度および2021年度に予定していた2年分の実験を集中して行い、データを収集することに力を注いだ。ヨガ未経験の一般学生、運動習慣のある学生、運動習慣のない学生、スポーツ競技やバレエを行っている運動スキルの高い学生らの、画像データ、足圧および重心データ、心理データを収集できたため、今後それらの解析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、不足している運動習慣のある学生および競技者レベルの学生のデータを収集するため、追加実験を行う。そして、2021年度までに行った実験データを基に、ヨガ実施前後の姿勢の変化(特に、肩峰、大転子、膝関節の位置)、足圧分布の変化、重心の位置の変化を明らかにする。重心動揺については、個人差が大きいことを確認しており、引き続き計測をしながら解析を進める。昨年度の心理評価分析において、ヨガ実施後における不安や緊張の低減を明らかにした。今後は他の軽運動との差がみられた「混乱」や「眠気」、「不活性」に注目して分析を行う。研究成果を国内学会で発表するとともに、学術雑誌およびInternational Journalへの論文投稿の準備を行う。
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