本研究は大学生を対象にヨガを実施し,その実施および継続による身体動揺の変化,姿勢の変化,不安や緊張の低減について明らかにするため,ヨガの動作解析と心理評価分析を行うことが目的であった。 2022年度から2023年度にかけて,短期間のヨガが高不安である大学生の重心動揺と不安状態にどのような影響を及ぼすかを明らかにするため,実験を行い,その分析を行った。STAI(状態・特性不安検査)により特性不安も状態不安も高く示した大学生(通院歴はなし)のうち,コントロール群,週1回のペースでヨガを行う実験群A,週1回のペースでヨガを8週行う実験群Bを設定し,実施した。その結果,実験群ABはコントロール群に比べて重心動揺の総軌跡長,X軸軌跡長やY軸軌跡長が有意に低く,また状態不安も有意に減少した。一方で,実験群AとBとの間にはいずれも有意な差が認められなかった。高不安の大学生において,短期間のヨガが重心動揺の減少に寄与し,また不安状態を低減し得ることが示された。本研究成果は,現在International Journalにおいてunder reviewである。 そして,2020年度より継続してきたヨガに関する文献のレビューと本研究より明らかにしてきたオンラインヨガによる心理的な効果や,ヨガとウォーキングの効果の違いおよび共通点について,学会および一般の方々に向けた講演やワークショップ等において報告を行った。
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