研究課題
本研究は、小学生におけるスタンディングデスクの導入が学習効率に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。具体的には、地域に在住する児童を対象に、1)座位姿勢、もしくは2)立位姿勢のいずれかで記憶課題に従事してもらい、両群における記憶課題を比較した。対象は、東京都世田谷区に在住する小学生(4~6年生、9~12歳)21名であった。研究デザインとして、無作為化比較試験を用いた(図1)。対象者は、「コントロール(CON)試行」と「アクティブブレイク(AB)試行」の2試行にそれぞれ参加した。各試行ともに、対象者に45分間(暗記作業)で可能な限り架空の地名(図2:記憶課題の例)を覚えるよう依頼した。暗記作業中、コCON試行においては、座りながら暗記をしたのに対し、AB試行においては、中盤の5分間に身体活動を伴った休憩(ラジオ体操)を組み込んだ(暗記作業=40分+AB=5分)(図3)。暗記作業終了後、各試行の「疲労感」および「眠気」について、VASスケールを用いて測定した。さらに、暗記課題に関する試験を実施し、各試行における記憶課題成績を比較した。試行間の試験成績を比較した結果、両試行に有意な差は確認されなかった(p=0.673)。一方、CON試行と比較し、AB試行において、疲労感が有意に低値であった(p=0.003)。本研究より、学習中のアクティブブレイクは、記憶課題で評価した学習効率を低下させることなく、座位時間を減少できる可能性が示された。さらに、アクティブブレイクは、学習者の疲労感を軽減できる可能性が示された。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件)
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