研究課題/領域番号 |
20K19610
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
トウ ホウウ 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (30784392)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 歩数 / 中高強度運動時間 / 運動能力 / 発育発達 / 幼児 |
研究実績の概要 |
子ども時期に身体活動が減り始めると将来肥満になる可能性が高くなってしまう。この現象は子ども時期に適切身体活動を保つことの重要性を示している。そもそも子ども時期、特に小学校入学前後に渡って子どもを取り組む環境を変化させることで身体活動がどのように変化するのか、子ども時期の体力の良好な発育発達のためにどれくらい身体活動量が必要となるのについて十分に明らかではない。 本研究では、どのような場所を利用している子どもが、どれだけ運動すれば、子ども時期に適切な身体能力を保つことができるのかを明らかにする。本年度は、幼児(4-5歳)を対象として運動能力と身体活動(量及び強度)との関係性を検討することとを目的とした。 性差及び年齢を主効果における繰り返す2要因の分散分析の結果、運動能力については、握力や25m走、立ち幅跳び、ソフトボール投げに性差が認められ、立ち幅跳びに年齢の主効果が認められた(p<0.05)。また、日常における身体活動では、歩数及び中高強度運動時間に年齢や性差の主効果が認められたが(p<0.05)、性別・年齢の交互作用が認められなかった。さらに、男女別に運動能力と身体活動との関係を検討した結果では、男児において立ち幅跳びや25m走は平日の歩数、総運動時間と休日の中高強度運動時間と有意な正の相関が認められた(p<0.05)。女児においては、立ち幅跳びは休日の歩数や中高強度運動時間と有意な正の相関が認められた(p<0.05)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度では、4-5歳の幼児約300名を対象に、運動能力及び日常身体活動のデータを収集した。さらに、男女別に運動能力と日常身体活動との有意な相関関係が認め、発育の状態によって身体活動への影響が異なることが示された。現在、原著論文として研究成果を執筆する予定である。 しかし、COVI-19感染拡大の影響で、全地球即位システム法で遊び場所の利用時間や移動距離が約50人のデータしか収集していなかったので、多様な生活環境が相加・相乗効果により身体活動の増減に影響を与えるのについて十分な検証がされていなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度では、昨年測定を実施した4-5歳の幼児を対象として、昨年と同様に測定(体力テスト及び日上身体活動)を実施する。1年間で日常身体活動(量及び強度)が増えた幼児では、体力テストの結果の成長度合いが大きのか、または体力テストの種類の違いによって差異が認められるか否かについて明らかにする。 さらに、これらの結果によって、発育発達に伴う身体活動や各種体力テストの推移変化を縦断的に明らかにする。また、地理情報システムの導入で、日常生活における行動パターンを時間、位置、活動レベルの3つの側面から運動時間、通学時間、在宅時間など個人の健康に関わる身体活動(量と強度)の推定を行い、適切な身体活動を保つために必要な身体活動量や強度を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に必要な消耗品や測定機器を購入したが、多少な残額が生じた。 次年度に必要な消耗品や事務職員のアルバイト代、英文校正等の費用を計上している。
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