発育発達に伴い、身体活動量の増加には平日と休日に左右されやすく、特に平日の増加が著しいことは前年度の研究結果より明らかになった。我々は、小学校入学前後に渡って幼児を取り組む環境を変化させることで身体活動がどのような変化するのを検討するため、前年度に4歳及び5歳であった幼児105名(男児60名、女児45名)を対象に、身体活動と関連があるとされる学校や自宅近隣環境の詳細情報を取り入れ、生活環境による身体活動や体力を評価した。 その結果、男児では1日の平均歩数は年間10%(今年度:14447±2545歩 vs. 前年度:13302±2032歩)に増加し、中高強度運動時間は年間16%(今年度:61.5±12.3分 vs. 前年度:51.7±14.6分)に増加した。そのうち、体力が高い幼児ほど、自宅の活動量より学校での活動、特に中高強度運動時間が有意に増加したことが認められた(p<0.05)。また、女児では1日の平均歩数は年間8%(今年度:11367±2258歩 vs. 前年度:10457±1532歩)に増加し、中高強度運動時間は年間10%(今年度:42.3±16.9歩 vs. 前年度:37.8±15.3歩)に増加した。そのうち、男児と同様に、体力が高い幼児ほど、自宅の活動量より学校での活動、特に中高強度運動時間も有意に増加したことが認められた(p<0.05)。 幼児の身体活動量は先行研究と同様に、発育発達に伴い増加することが認めた。さらに、幼児の体力向上のために、以上の結果から、幼児の活動パターン、特に中高共同運動時間を環境利用と関連つけて分析することにより、在宅時間中の中高強度運動時間を増やすことにで、幼児の体力向上に影響を与えることが明らかにした。
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