研究課題/領域番号 |
20K19626
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研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
島袋 桂 沖縄国際大学, 産業情報学部, 講師 (90827122)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保育環境 / 身体活動 / 座位行動 / ポリシー |
研究実績の概要 |
幼児の活動性を高めるうえで、多くの幼児が通っている保育施設の環境は重要な要因となる。園庭の広さや遊具など物理的要因と身体活動についてはある程度の知見が集積されているものの、心理社会的要因(保育者の行動、ポリシーなど)が幼児の活動にどのように影響しているかについては不明な部分がある。特に、園の方針や保育者の行動や態度は保育環境と関連することが予測されるものの、未だ不明な点も多く、さらに日本において保育環境を評価するための尺度を用いた研究も限られている。よって、本研究では、国内外の研究を参考しながら身体活動と座位行動に関する保育環境評価表を開発し、評価票を用いて園の方針の違いが幼児の身体活動・座位行動とどのように関連するかを明らかにする。 2020年度は、予備調査など実際に園に出向いて行う研究活動をほとんど行うことができず、文献レビューに多くの時間を割くことになった。保育環境と身体活動に関する新たな研究が出てきたこともあり、研究の独自性を確保するために研究計画の修正を行った。その他、保育施設などの教職員や同じ領域の研究者とのディスカッションの中で、日本の保育文脈で重要視されている「運動遊び」の展開と指導を視野に入れることの重要性を確認し、「運動遊び」に関する項目を加えることとした。 今後の計画として、年度の前半までに調査項目を精査し完成させる。その後、新型コロナの影響について慎重な判断を行いながら、保育施設にて予備調査などを進めていく予定となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は新型コロナウイルスの影響により、公務の大幅な修正もあり、思うように研究活動が進目られなかった。加えて、保育施設への訪問や問い合わせについても限定されてしまい、現在想定している研究課題と保育現場における課題のミスマッチを埋める作業が想定よりも遅れてしまった。ただし、当初の研究計画について内容を検討する機会となったため、より国内の文脈にあった研究を進められるものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、前半までに調査票を完成させる。具体的に保育施設における「運動遊び」の状況も調査表に加えるとともに、直接観察による調査の必要性についても検討を行う。国内外の研究から項目を選定するとともに、保育現場の教職員の意見を参考にしながら日本の文脈にあった研究を行う。 年度の後半からは、新型コロナの影響についても慎重な判断を行いながら予備調査を実施する。その後、本調査に向けた機器のトレーニングを行い、年度末または新年度の早い時期での本調査に向けて準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は旅費支出や謝金支出はなく、物品購入のみであった。予算内で購入できる機器を最大数購入したところ、若干の残額が生じた。機器については、未だ不足しているため、残額を翌年度の機器購入費に加えたいと考えている。
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