糖尿病の予防・改善に対する運動の可能性を探った先行研究の多くは、骨格筋のインスリン抵抗性の改善や内臓脂肪量の減少に焦点があてられている。しかしながら、我々日本人を含む東洋人の糖尿病患者では、骨格筋のインスリン抵抗性や脂肪量よりも、むしろインスリン分泌能力の低下に発症原因がある場合も少なくなく、膵臓機能を改善させる手法の開発が必要とされている。本研究の結果から、運動は全身のインスリン感受性を亢進させるだけでなく、膵臓機能も向上させることが明らかとなった。本研究の成果は、糖尿病を予防・改善させる新たな運動療法開発への貢献が期待される。
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