本研究は筋萎縮の引き金となる上流メカニズムを解明することを目的に実施した。その結果、不活動や糖尿病といった状態下において、毛細血管を構成する血管内皮細胞からNotchリガンドであるDll4が放出され、筋線維に発現するNotch2を活性化させることで筋萎縮を誘導する「血管Dll4-筋Notch2シグナル軸」を発見した。遺伝子改変マウス、中和抗体、低分子化合物などを用いて、このシグナル軸を阻害することで、不活動や糖尿病による筋萎縮を抑制できることに加え、過負荷刺激にともなう筋肥大応答を増強させることがわかった。
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