研究課題/領域番号 |
20K19653
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研究機関 | 新潟国際情報大学 |
研究代表者 |
藤田 美幸 新潟国際情報大学, 経営情報学部, 准教授 (60788917)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スポーツ消費者行動 / 健康スポーツ行動変容 / ゲーミフィケーション / ヘルスケアプロモーション / ヘルスケア消費者行動 |
研究実績の概要 |
2021年度は、1)ICTを活用した健康関連サービスにおける消費者行動への影響に関する分析を重点的におこなった。2019年12月に発症したCOVID-19の影響により、様々な分野でICTを活用した非接触型のバーチャル上のプログラムが開発・実施された。スポーツやヘルスケアプログラムも同様にバーチャル形式やリアルバーチャル参加のハイブリッド形式などのプログラムが開発・実施された。たとえば、バーチャル形式のマラソン大会では、開催期間を約1カ月とし従来まで距離的、時間的に参加を断念した者が参加できることで参加者数の維持に成功している。また、フルマラソンを完走する自信のない者は、走行距離を複数回に分けることで参加障壁が低くなる。これらのことから新たな参加需要を掘り起こすことを可能にしている。しかしながら、これらのプログラムは勃興したばかりであり消費者行動の分析は進んでいないという課題が浮上した。したがって申請者は、10月にタイで開催されたバーチャルマラソン大会である「微笑みの国を歩いて、走って、旅気分!Virtual Fun Run in Thailand」の参加者について調査を実施した。これについて、3月にスマートライフ学会2022で研究発表し、また、新潟国際情報大学経営情報学部紀要 第5巻に単著論文として掲載された。 他、6月には、2) ゲーミフィケーションと達成関連語句の刺激が健康消費者行動の動機づけにどのような影響をおよぼすのかに関して、日本情報経営学会 第81回全国大会で、ICTを活用したスポーツ健康プログラムのひとつであるリングフィットアドベンチャーをケーススタディとして研究発表をおこなった。また、7月に日本スポーツ産業学会第30回大会、9月に地域活性学会 第13回研究大会でそれぞれの課題について研究発表をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の蔓延により、2020年度に実施できなかったアメリカでの調査を2021年度も中断せざるを得なかった。しかしながら、ICTを活用したバーチャルプログラムが世界中で急速に進展したことから調査・研究が可能となった。その成果を学会発表で口頭発表を精力的に行うことができ、さらには単著論文を公表することができた。これらのことから、成果を公表し、調査・研究計画をさらに洗練させることができたという点では、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は2020年度に実施予定だった調査および2021年度に実施予定の調査と合わせて遂行する。その調査結果について、学会での口頭発表や学術論文を通して公表する。当初の計画にもとづき、ICTを活用した健康関連サービスに関する資料を収集し動機づけに関する文献・資料調査研究をおこなう。つづいて、各種調査にもとづき、健康関連サービスについて、消費者行動の事例研究をおこなう。さらに、消費者行動の動機づけへの影響について定性調査および定量調査をする。定性調査の対象者は、健康サービスの関与度の高低に応じ複数グループを設定した上でグループを比較し分析する予定である。 しかしながら、新型コロナウィルス感染症が収束しない場合には、メールや電話に加え、オンライン会議システムを活用した聞き取り調査も検討する。また、これまで集めたデータや収集した文献、調査結果をもとに研究成果の公表に注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の蔓延により、アメリカでの調査が困難になったため、それにあてる予定だった旅費と人件費・謝金を使用することができなかった。また、研究発表を行った学会や研究会がすべてオンライン開催となったため、その旅費を使用することができなかった。一方で、2021年9月よりタイのチュラロンコン大学ビジネススクールで海外研修の機会を得たことで、タイ国内で調査・研究を進展することができ旅費を使用した。COVID-19が収束した場合には、2020年度に実施予定だった調査および、2021年度に実施予定の調査と合わせて遂行する。収束しない場合には、英文校閲費や報告書出版費用等にあてて、これまで集めたデータや文献をもとに研究成果を公表する予定である。
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