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2022 年度 実施状況報告書

習慣的な有酸素性運動が動脈硬化の進行を抑制する機序の解明:ADMAに着目して

研究課題

研究課題/領域番号 20K19656
研究機関京都薬科大学

研究代表者

棚橋 嵩一郎  京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30861819)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード非対称ジメチルアルギニン / ADMA / 有酸素性運動 / 動脈硬化
研究実績の概要

非対称性ジメチルアルギニン (ADMA; Asymmetric dimethylarginine) は、動脈に保護的に働く一酸化窒素 (NO) の産生を阻害する作用を有する物質である。 ADMAの増加は、動脈におけるNO産生の減少につながり、動脈硬化を引き起こす要因となることが明らかになっており、動脈硬化性疾患の発症・進展過程における重要因子として近年注目されている。習慣的な有酸素性運動は動脈硬化の進行を抑制することが知られているが、本研究ではその機序としてADMAに着目し、習慣的な有酸素性運動によって動脈硬化の進行が抑制される機序にADMAが関与するか否か明らかにすることを目的としている。
本研究は、横断的研究を実施するとともに、前向き観察研究を実施し、習慣的な有酸素性運動が動脈硬化の進行を抑制する機序の一部にADMAが関与するか否かについて明らかにしていく予定である。これまでに、横断的研究の一般中高齢者250名程度、慢性腎臓病患者100名程度、心疾患患者10名程度のデータに加えて、前向き観察研究の3年目データにあたる一般中高齢者170名程度、慢性腎臓病患者30名程度の動脈硬化指標の測定および血中ADMA濃度の分析等が完了している。これらのデータから、一般中高齢者および腎臓病患者の血中ADMA濃度は、初年度と比較して3年目で有意に増加することを確認するとともに、高齢女性においてより高い身体機能(有酸素性運動能力)を持つ者は、加齢に伴う血中ADMA濃度の増加が抑制される可能性を確認し、この成果を学会にて報告した。また、加齢に伴う血中ADMA濃度の変化と動脈硬化指標の変化の関連性についてもデータ解析をおこない、公表への準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、これまでのデータから解析を進め、前向き観察研究から得られた結果の一部を公表した。このことから、一定の進捗があったと考えられる。一方、最終的な目標を達成するデータをまとめるという観点で研究は完結できていない。また、COVID-19感染拡大防止対策から実施できなかった測定についても引き続き実施し、対象者数を増やす必要があると考えられる。これらのことから、やや遅れていると考えられる。

今後の研究の推進方策

本研究は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う補助事業期間の延長を予定しており、横断研究の対象者数の追加や、前向き観察研究の5年目データの測定および分析を進める予定である。また、引き続き加齢に伴う血中ADMA濃度の変化と動脈硬化指標の変化の関連性などを中心にデータの解析もおこない、まとめたデータは随時関連学会大会や原著論文に公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度は補助事業期間の最終年度であったが、これまでにCOVID-19感染拡大防止対策から測定を一部実施できなかったことや、COVID-19の関係により学会発表等に関する旅費を使用しなかったことから未使用額が発生した。本研究は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う補助事業期間の延長を予定しており、次年度に実施される測定および動脈硬化指標の分析などに使用する予定である。また、学会発表等に関する旅費や論文投稿費用にも充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 加齢に伴う血中ADMA濃度の増加と有酸素性運動能力の関係2022

    • 著者名/発表者名
      棚橋嵩一郎、小崎恵生、松井公宏、吉岡将輝、森翔也、西谷菜津美、金子萌子、朴志娟、斎藤知栄、黒尾誠、山縣邦弘、前田清司
    • 学会等名
      第41回 日本臨床運動療法学会

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公開日: 2023-12-25  

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