本研究においては、2019年度までに明らかにした青年期の全身持久力、筋力、体格(BMI)と糖尿病発症リクスとの関連に引き続き、約50年間蓄積された大学在 学中の体格・体力測定記録を用いたヒストリカルコホート研究を実施する。体力測定を実施した体育系大学の卒業生を対象とした健康調査を複数回実施し、大学卒業以降の糖尿病をはじめとする様々な疾病既往歴や、大学卒業後の運動習慣などの生活習慣を質問紙法により調査する。 研究デザインは、ヒストリカルコホート研究であり、調査方法は、大学在学中に体格・体力測定を実施し、記録が確認できた体育系大学卒業生を対象とした郵送法による質問紙調査を実施する。調査では、「医師に診断されたことのある疾病の有無」と「診断された年齢」を質問紙法により、自己記入式にて実施する。また、調査時の体重、運動習慣(IPAQ)、食習慣(BDHQ)、喫煙歴などの生活習慣も回答を得る。 具体的な解析方法としては、大学在学中に測定された体力と、卒業後の健康調査のデータベースを作成し、大学卒業から糖尿病発症までを追跡期間とするコホート研究を実施する。 本年度においては、追跡5回目となる上記の追跡調査を実施し、すでにあるデータベースの拡充を図った。また、現在までに複数回の追跡調査が行われている特徴を生かし、青年期以降(壮年期)の運動習慣や体格の組み合わせで、青年期の体力の効果を検討している。
|