研究課題/領域番号 |
20K19689
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
金 鉉基 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10791874)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 運動実施時間帯 / 血糖値変動 |
研究実績の概要 |
糖尿病患者は、日本だけでなく諸国においても年々増加しており、深刻な社会問題となっている。それゆえ、糖尿病を効果的に予防・改善するための方策を確立することは急務である。運動は健康の維持・増進や糖尿病予防に有効である。先行研究において定期的な運動はインスリン感受性を改善し、糖尿病を予防・改善することが示されている。そのため、糖尿病の予防・改善のための様々な運動ガイドラインが示されている。しかし、これらの運動ガイドラインにおいて推奨される運動量、運動継続時間は示されているものの、運動実施時間帯の言及はなされていない。さらに、時間生物学は、スポーツ科学分野においても応用されており、運動のタイミング(いつ)を考える「時間運動学(Chrono-exercise)」が注目を集めている。 そこで、本研究では朝と夕の異なる運動実施時間帯における持久性運動が血糖値の日内変動および血中指標に及ぼす影響について検討することを目的とした。 健康な若年男性10名を対象とし、一過性持久性運動を用いたランダムクロスオーバー試験とした。その結果、夕の持久性運動が朝の持久性運動に比べて運動後の血糖値の日内変動が穏やかであることが見られた。しかし、朝と夕の持久性運動で統計的な有意差は見られなかった。したがって、今後より詳細に検討する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、朝と夕方の異なる運動実施時間帯における一過性の持久性運動が血糖値変動に及ぼす影響について若年男性を対象に実験を進めることができた。ただし、現在進行中であり、血糖値変動に対する運動実施時間帯の影響を明確にするためには今後さらに測定を続ける必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
糖尿病の予防・改善の観点から考えると、より長期的な運動実施時間帯の違いが血糖値変動に及ぼす影響について検討する必要がある。そのため、今後は、運動実施時間帯の異なる短期間持久性運動時における血糖値変動に及ぼす影響について検討することを目的とし介入研究を行う予定である。 また、新たな方向性への発展させていくために採取したサンプルを用いて検討項目を増やしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度、実施した実験の結果を基に血中の糖代謝関連指標の検討を行う予定であったが、コロナの影響により分析依頼ができなかった。また、今回の結果のままでなく追加測定を行いより詳細に検討することと計画を変更したため、未使用額が生じた。 そのため、追加測定および解析を行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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