本研究では,筋の代謝機能 (筋酸素化機能) に着目し,異なる年齢群での違いや筋内部の脂肪との関係性などを検討することを目的とした.高齢者における筋酸素化機能と四肢骨格筋量および運動機能との関係を検討したところ,筋酸素化機能と歩行速度との間において有意な相関関係が認められた.次に筋酸素化機能と筋細胞内脂肪・筋細胞外脂肪との関係を検討した.その結果,若齢者において筋酸素化機能と筋細胞内脂肪の間に有意な負の相関関係が認められた.一方,高齢者においては有意な関係が示されなかった.以上の結果から,高齢者における筋酸素化機能の意義やその生理学的特徴を示すことができた.
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