インスリン抵抗性発現には、脂肪組織マクロファージを中心とした慢性炎症が関与するが、機能障害を起こした細胞から遊離する分子のひとつである自己遊離核酸や核酸分解・認識機構との関係は不明である。肥満がDNase活性へ与える影響を検討した結果、肥満マウスは対照群より内臓脂肪組織DNaseⅡ活性が増強し、血中DNaseⅠ活性は上昇傾向であった。マクロファージに核酸認識型TLRリガンドやcGAMPで刺激を行うと、複数のDNA分解酵素やSTINGシグナル関連分子の遺伝子発現に影響を及ぼした。以上からインスリン抵抗性発現とマクロファージを介した炎症惹起に複数の核酸認識・分解機構が関与する可能性が示唆された。
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