2023年度は課題1(縦断的観察研究)に関して以下の①~③を実施した。 ①追跡データの収集:今年度、約3700名から追跡データを収集した。 ②追跡率を高める取組み:セレクションバイアス(追跡不能者)を軽減するため、一部の対象者が所属する健康保険組合から健診・問診票データを提供してもらう手続き進めた。その結果、本研究期間中および今後の追跡データを定期的に提供してもらう体制を確立することができた。しかし、残念ながら「オプトアウト期間の設定」「提供データのクリーニング」等に時間を要したため、本研究期間中に当該データを活用した分析を行うことはできなかった。今後、成果を公表する際には当該データを活用し論文を執筆する。 ③データ解析:これまでに収集したデータを活用して、24時間の身体行動と心血管代謝系の健康、メンタルヘルス、主観的仕事の能力の縦断的関連性を検討した。なお、横断データを用いた分析結果を第25回日本運動疫学会学術総会で発表し優秀演題賞を受賞した。 課題2(介入研究)については、これまでに報告してきたとおり、新型コロナウィルス感染症の蔓延による影響のため、研究協力先(フィールド)を見つけることができなかった。そのため、申請書で示した代替案を採用した。つまり、収集済みの介入研究(職域での身体活動促進)のデータを用いて当該課題を遂行した。
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