褐色脂肪細胞は熱産生機能を有し、全身のエネルギー代謝に関与する一方、肥満状態ではその機能低下が報告されており、褐色脂肪機能不全がエネルギー恒常性破綻と肥満形成に寄与すると推察される。本研究ではDNAマイクロアレイおよび転写因子結合予測解析を組みあわせることで、褐色脂肪機能に関与しうる転写因子としてIRF7(Interferon Reguratory Factor 7)を同定した。IRF7欠損マウスでは褐色脂肪での熱産生関連遺伝子が野生型に比べて高発現であり、寒冷環境下での直腸温が高く維持されていた。また、高脂肪食給餌下における体脂肪増加が抑制され、耐糖能の改善が観察された。
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