研究課題/領域番号 |
20K19713
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
中村 翔 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 講師 (00740656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 遺伝環境相互作用 / 肥満症 / 多因子疾患 / 遺伝学的リスク / 予防医療 / ゲノム医療 / 個別化医療 / ヘルスケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、解明されつつある環境要因と体質との交互作用を肥満対策に応用することで、これまで困難だった個人の体質にあわせた最適な肥満予防や肥満治療を実現することである。令和2年度までに介入プログラムの作成のため、これまでに運動・食事を中心とした健康指導の実績が豊富な企業、および今後の展開において重要な遺伝子検査サービス会社との共同研究契約の締結や研究計画の倫理審査委員会での承認を進めた。ただし、新型コロナウイルス感染症により令和2年度前半に研究遂行が若干滞り、また既存のサービス利用者に対して、研究へのリクルートや安全に同意を取得するための準備や、遺伝子検査サービスの機会を安全に提供するための準備が追加で必要となった。 さらに当初の計画では、令和3年度にはリクルートが完了し、解析を実施する予定であったが、運動プログラム提供企業でのリクルートおよびその後のデータ提供が、新型コロナウイルスに伴うサービス提供状況や共同研究企業での担当者の入れ替え等の影響で、当初の予定より遅れて、令和5年度4月に解析を開始した。令和5年度には、第一弾の結果解析が終了し、日本疫学会総会にて成果の発表を行なった。 また、遺伝×環境交互作用に基づくリスクをどのように伝えるかについては、例えば遺伝的リスクが高い者が無力感に苛まれ自暴自棄になる、逆に遺伝的リスクが低い者が自分は病気にならないと誤解し自堕落になる、といったことがないリスクの伝え方、指導方法が不可欠であるため、現在進行している探索的研究の解析が進む中で、今後の前向き介入研究の内容を詰めていく予定となっている。 引き続き、本研究の最終的な成果、即ち遺伝×環境相互作用を応用することで、目の前の対象者が特異的にどのような生活習慣に留意すべきか、個別化された「楽しく続けられる」対策を提案することが可能になることを目標に、5年目に成果を取りまとめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症により、当初予定していたリクルートが後ろ倒しになったことに加え、予定していたリクルートは開始できたものの、運動プログラムサービス提供会社でも、新型コロナウイルス感染症蔓延前に見積もったほどのスピードでリクルートが進まなかったため、令和3年度中に協力者のリクルートが完了せず、令和4年度前半で完了となった。その後、データの提供を受けるまでに先方でのデータクリーニング作業が当初よりも時間を要したため。令和5年4月に解析を開始し、令和6年度に結果の取りまとめを行う。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度に結果の取りまとめが完了する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終的な取りまとめに必要な費用を残している状況。
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備考 |
肥満の遺伝学的リスクスコアと食事・運動介入プログラムの効果に関する4者間共同研究の開始 http://www.shi.kuhs.ac.jp/att/01171_15258_010.pdf
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