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本申請課題では,青少年のウェルビーイングを増進する学校ベースの介入として,姿勢という身体性に着眼した応用研究を実施した。具体的には,直立座位(立身)姿勢を補助する「立身イス」を中学校や高校に導入し,生徒の身体的姿勢,それによる授業への集中,ポジティブ感情や人生の意味等への肯定的な影響を検討することを目的とした。 研究1(2020年度)では,私立の高校生を対象にA-B-Aデザインで研究を実施し,介入期に精神的健康や人生の意味感が向上することや,姿勢改善や授業の時間知覚を媒介することでウェルビーイングが向上することを明らかにした。研究2(2021年度)では,公立中学校2学級(2年生)を対象にA-B-B-Aデザインで研究を実施し,注視・傾聴などの積極的授業参加行動の得点が介入期に向上することも確認された。研究3(2022年度)では,同様に中学校2年生を対象とした研究を行い,マルチレベル分析によって,姿勢および授業の時間知覚,精神的健康に対する肯定的な影響が示唆された。引き続き中学2年生を対象に実施した研究4(2023)では,ベイジアン・マルチレベル媒介分析の結果,立身イスが直立姿勢を保持し,それによって時間知覚やポジティブ感情の向上に繋がることが明らかとなった。最終年度となる2024年度は,2023年度までの介入をより発展させた研究を実施する予定であった。具体的には,身体的姿勢と心理状態の相互関連性についての学術的知見を教授する姿勢教育を実施し,この教育と立身イスの使用を組み合わせて,生徒のウェルビーイング向上を目指した。しかしながら,実施直前に健康上の都合が生じ,さらに協力校の事情で再度の研究実施が困難となり,当該研究については断念せざるを得なかった。そのため,2024年度は成果報告(査読つき英文ジャーナルへの投稿;教職関係者への講演等)を実施するに留まった。
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